建設リサイクル法の特定建設資材とは?具体例31品目を判定します!

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建設リサイクル法には特定建設資材という言葉が出てきます。

この法律は、特定建設資材を使用また排出される工事に適用される為、どういった資材が特定建設資材に該当するかは建設業者が必ず知らないといけない知識になります。

本記事では建設リサイクル法の特定建設資材についてわかり易く紹介します。

本記事のポイント
・特定建設資材は4種類に大別される
・使用した建築物の解体工事等は建リ法が適用
・適用工事は特定建設資材廃棄物を再資源化


建設リサイクル法とその対象工事とは?

建設リサイクル法は、建設工事で排出される廃棄物の再資源化(リサイクル)の促進を目的とする法律で、建設廃棄物において「廃棄物処理法」と並んで遵守が求められる重要な法律です。

この法律により、特定の建設資材を用いた建築物の解体工事や新築工事のうち、一定規模以上の工事において様々な義務が課されることになります。
この建設リサイクル法が適用される工事の事を、本法律における対象建設工事と呼びます。


特定建設資材とは?

特定建設資材とは、建設リサイクル法の中で定義される建築資材で、以下の4つを指します。
※これらが廃棄物となった場合「特定建設資材廃棄物」と呼ばれます

特定建設資材
①コンクリート
②コンクリート及び鉄からなる建設資材
(プレキャスト鉄筋コンクリート等)
③木材
④アスファルト・コンクリート


特定建設資材廃棄物
コンクリート塊(①②の廃棄物)
建設発生木材(③の廃棄物)
アスファルト・コンクリ塊(④の廃棄物
)

これらのいずれかが使用された建築物の解体工事もしくは新築・改修工事は、建設リサイクル法の対象建設工事となり、その工事の発注者や元請業者には以下のような義務が発生します。

対象建設工事における義務
・分別解体等の実施
特定建設資材廃棄物の再資源化
・発注者による行政庁への事前届出
・元請業者による発注者への再資源化完了報告

特定建設資材廃棄物の再資源化について

建設リサイクル法の対象建設工事の現場で排出される特定建設資材廃棄物は、必ず再資源化をしなければなりません。

再資源化とは

  1. 分別解体等に伴って生じた建設資材廃棄物について、資材又は原材料として利用すること(建設資材廃棄物をそのまま用いる事を除く )ができる状態にする行為
  2. 分別解体等に伴って生じた建設資材廃棄物であって燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものについて、熱を得ることに利用することができる状態にする行為

再資源化とは簡単にいうとリサイクルの事で、廃棄物をそのままではなく別の形で再度資源として利用する事を指します。

再資源化の例

特定建設資材廃棄物再資源化の例
コンクリート塊再生骨材として再びコンクリートの原料
再生砕石として道路の材料
建設発生木材チップ化しボードや網の原料
熱原料としての利用
アスファルト・コンクリート塊再生アスファルト合材として再びアスファルトとして利用

再資源化の例外について

先述した通り、対象建設工事において発生する特定建設資材廃棄物は原則全て再資源化の義務がありますが、以下の場合に該当する「建設発生木材」は、再資源化義務がなく「縮減」を行えば足りるとされます。

縮減が認められるケース

  1. 工事現場から50㎞以内に再資源化を行うための施設がない場合
  2. 地理的条件、交通事情その他の事情での運搬車両が通行する道路が整備されていない場合であって、縮減をするために行う運搬に要する費用の額がその再資源化(運搬に該当するものに限る)に要する費用の額より低い場合

なお、「縮減」とは、焼却、脱水、圧縮その他の方法により建設資材廃棄物の大きさを減ずる行為で、いわゆる焼却処分に該当します。


特定建設資材の具体例

では特定建設資材を正確に判別できるよう、品目別で具体的に見ていきましょう。
特定建設資材に該当するものは「〇」、しないものは「×」で判定しています。

資材名判定分類
PC版コン及び鉄
無筋コンクリート
有筋コンクリート
コン
コンクリートブロックコン
コンクリート平板
U字溝等二次製品
コン
コン及び鉄
コンクリート製インターロッキングブロックコン
間知ブロックコン
テラゾブロックコン
軽量コンクリートコン
レジンコンクリート×
セメント瓦×
モルタル×
ALC版×
窯業系サイディング(押し出し形成版)×
普通れんが×
繊維強化セメント板(スレート)×
粘土瓦×
タイル×
セメント処理混合物
粒度調整砕石
再生粒度調整砕石
クラッシャラン
再生クラッシャラン
×
アスファルト混合物
再生加熱アスファルト混合物
改質再生アスファルト混合物
アス・コン
アスファルト処理混合物
再生加熱アスファルト処理混合物
アス・コン
アスファルトルーフィング×
木材木材
合板木材
パーティクルボード木材
集成材(構造用集成材)木材
繊維板(インシュレーションボード)木材
繊維板(MDF)木材
繊維板(ハードボード)木材
木質系セメント板(木毛・木片)×
×
樹脂混入木質材(ハウスメーカー製品)×

特定建設資材でよくある質問

特定建設資材についてよくある質問をまとめました。

伐採木やコンクリート型枠、梱包材等は該当する?

伐採木、梱包材はならない。型枠は場合によりなる。
建設資材とは「土木建築に関する工事に使用する資材」と定義されており、伐採木、伐根材、梱包材等は建設資材ではなく、再資源化等の義務付けの対象とはならない。
特定建設資材の型枠(木製コンクリート型枠等)は、対象建設工事の現場から直接廃棄物として排出される場合は対象となるが、例えばリース材としてリース会社から廃棄物として排出される場合は再資源化等の義務付け対象にはならない。

わずかしか特定建設資材廃棄物が発生しない工事も対象になる?

発生量にかかわらず対象になります。
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又は新築・改修工事であって、その規模が建設工事の規模に関する基準以上のものであれば、特定建設資材廃棄物の発生量に係わらず対象建設工事となります。

特定建設資材を用いた建築物で、特定建設資材以外の部分のみを解体する場合は対象になる?

対象になります。
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又は新築・改修工事であって、その規模が建設工事の規模に関する基準以上のものであれば、特定建設資材廃棄物の発生量に関わらず対象建設工事となります。なお、その場合、届出の際は廃棄物発生見込量をゼロと記入して提出します。

特定建設資材廃棄物について、最終処分の方が低コストでも再資源化を行う必要はある?

必要があります。
特定建設資材廃棄物については、再資源化等を行うより最終処分を行った方が経済的に有利な場合でも、再資源化等を行わなければなりません。

再使用が可能な特定建設資材を現場で再使用することは可能?

可能です。
ただし一度でも特定建設資材廃棄物となったものについては、これをそのまま再使用することはできません。

まとめ

以上、ここまで建設リサイクル法の特定建設資材について紹介しました。

建設リサイクル法を順守する上で、この特定建設資材の正しい理解はかかせません。
特定建設資材廃棄物の再資源化率100%に向けて、皆さん一人一人の協力が求められます。

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